閉ざされた白の世界で、白皇プラチナは瞑想する。
(色が争うことで黒境が生まれる。そして黒境を浄化するために、私たち白は遣わされた…)
白が生まれ出るここ白皇山は、色世界と光世界を繋ぐ聖域であるとされている。
しかしひとたび色の世界に生まれた白は、再び光の世界に戻り色神に会うことはない。
(そもそも争う色がなければ、黒も、黒境も生まれない)
プラチナは、自身の指針としてきた信条を反芻(はんすう)する。
その考えは、妹リリィを混色で失った時に形を為した。
時を経てそれはプラチナの中で、原初から色神に与えられた使命かのように明尖化していく。
それゆえにプラチナは赤を利用し、単色の世界を目指してきた。
しかし今、プラチナの考えは変わりつつある。
戦火の中でアイビィが放った緑と共にある白の光…
プラチナはそこに、亡き妹の面影を見た。
(…早急に、正さねばならない)
白は、混色を正すために生まれてきた。
であるならば、白が、他色を利用し、利用されることはあっても、他色と混じり、手を取り合って生きる世界などはあり得ない。
(同じ過ちを、繰り返さないために)
プラチナは瞑想を止め、立ち上がる。
優しく、理想ばかりを見ていたリリィ…
その忘れ形見が、また色世界に利用され、消費されようとしている。
「赤で染めるなど生ぬるい。やはり世界は…一度白紙に戻らねばならぬ!!」
プラチナは、白翼の軍勢を率いて下山した。
次話>
