
最初に、光の世界があった。
そこには、『赤』『青』『緑』の色神がいた。
色神たちは3色の光を合わせて、下層に白の世界(キャンバス)を創った。
そしてそれぞれの色素(インク)を混ぜて、世界を6色に塗り分けた。
塗り分けられたキャンバスは、色の世界(カラルド)となった。
色の世界には色物(しょくぶつ)が生まれ、やがて動色物(どうしょくぶつ)となった。
動色物の中には、神の力に由来する術色(アート)を使うことができる者が現れた。
それらの者たちは、有色者(アーティスト)と呼ばれた。
動色物はやがて、有色者を中心に国を作った。
そして6人の色王の下で、色の世界は繁栄した。
しかし、平和な繁栄は続かなかった。
動色物は自色の繁栄を広げるために、他色を侵蝕するようになった。
多くの色が流れた。
流れた色は混ざり合って濁り、やがてそこから『黒』が生まれた。
黒は他色を飲み込み、断絶を生んだ。
こうして、色の世界に黒境が生まれた。
色神は黒境を取り祓うために、『白』をキャンバスに遣わした。
白は黒を浄化した。
色たちは白を崇め、その力を求めた。
しかし黒境がなくなると、色たちは再び争いを始めた。
そしてまた、新たな黒境を生んだ。
幾度かの繰り返しの後、白は山に閉じこもった。
山の麓は白を求める色たちで溢れ、また多くの色が流れた。
やがて山の周りには、どこよりも深い黒境が生まれた。
今、黒境に落ちた一雫の白が…停滞した世界に波紋となって伝わっていく。
